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麻布台ヒルズ周辺の歴史散歩|再開発で変わった街と変わらない風景を巡る3時間モデルコース

麻布台ヒルズ周辺の散歩は、再開発で生まれた未来的な街並みと、江戸時代から続く歴史の層が交錯する様子を肌で感じられることが最大の魅力です。

この記事では、神谷町駅からスタートし、かつての谷の面影を残す路地裏や歴史ある神社を巡りながら、新しい街と古い風景が織りなす物語を読み解く約3時間のモデルコースを詳しく解説します。

ただ歩くだけでなく、土地の記憶をたどりながら、あなただけの発見をしてみませんか。

この記事でわかること

目次

麻布台ヒルズの歴史散歩でわかる新旧共存の魅力

麻布台ヒルズ周辺の散策における最大の魅力は、最新鋭の都市景観と江戸時代から続く歴史の層が交錯する、ダイナミックな時間の流れを肌で感じられることです。

約30年にも及ぶ再開発によって生まれた未来的な空間のすぐ隣に、かつての面影を残す坂道や古社が静かにたたずんでいます。

このエリアを歩くことは、単に景色を楽しむだけでなく、東京という都市がいかにして形成されてきたのか、その変遷を読み解くような知的な体験になります。

再開発による街のダイナミックな変化

麻布台ヒルズは、かつて木造住宅やビルが密集していたエリアが、長期的な都市計画によって生まれ変わった街です。

この再開発の注目すべき点は、約8.1ヘクタールもの広大なエリアが一体的に整備されたことです。

この壮大なプロジェクトは、地権者である約300人との丁寧な合意形成のもと進められました。

1989年に街づくり協議会が設立されてから、約34年の歳月を経て2023年に完成しました

古い街並みが持つ記憶を受け継ぎながら、防災性の向上や緑豊かな空間の創出を実現したのです。

昔の地図と見比べながら歩くと、都市のダイナミックな変化をより深く実感できます。

江戸時代からの大名屋敷と寺町の歴史

現在の麻布台ヒルズがある一帯は、江戸時代において重要な役割を担っていました。

この場所の歴史的な特徴は、武家地と寺社地が混在する、江戸の面影を色濃く残す場所であったことです。

江戸城に近いこの高台には、麻布南部藩や阿部飛騨守など数多くの大名屋敷が構えられていました。

同時に、幕府の政策により多くの寺院が集められ、寺町が形成されたのです。

特に麻布台周辺には80以上もの寺院が集められた時期もあり、寺町としての歴史を物語っています

今も点在する西久保八幡神社などを訪れると、高層ビル群の足元に息づく土地の記憶に触れることができます。

東京タワーと麻布台ヒルズが生む時代の対比

このエリアを散策する楽しみの一つが、昭和と令和、それぞれの時代を象徴する二つのタワーを同時に望めることです。

戦後復興のシンボルである東京タワーと、新しい都市のアイコンである麻布台ヒルズ(森JPタワー)が織りなす風景は、ここでしか見られません。

驚くことに、二つのタワーの高さはほぼ同じです。

高さ約330mの森JPタワーと高さ333mの東京タワーが、ほぼ同じ高さで並び立つ風景は圧巻です

麻布台ヒルズの展望台から、あるいは周辺の坂道からこの景色を眺めることで、時代の移り変わりと変わらない東京の空を実感できます。

この対比的な景観は、日本の歩みを物語る貴重な風景といえるでしょう。

今も残る我善坊谷のかつての面影

麻布台ヒルズの歴史を語る上で欠かせないのが、かつての地名です。

我善坊谷(がぜんぼうだに)とは、現在の麻布台ヒルズの中心部にあたる谷地の旧地名で、その名の通り起伏に富んだ地形が特徴でした。

再開発前は、高低差が20m以上ある急な坂や狭い路地が入り組み、木造家屋が密集していました。

その地形の記憶は、完全に消えたわけではありません。

再開発エリアの西側に隣接する狸穴公園周辺や、狸穴坂、潮見坂などを歩くと、今もその複雑な地形の記憶をたどることができます

洗練された都市空間の中に、失われた谷の風景を探しながら歩くことは、麻布台ヒルズ散歩の醍醐味です。

歴史と未来を巡る約3時間の散歩モデルコース

ここからは、麻布台ヒルズの新しい風景と、周辺に残る歴史の面影を巡る、所要時間約3時間のお散歩マップを詳しくご紹介します。

再開発によって生まれた未来的な街並みから、江戸時代の地形を色濃く残す坂道まで、新旧が共存する街の魅力を体感できるモデルコースです。

このコースを歩けば、まるで時間旅行をしているかのような、不思議な感覚を味わえます。

1. スタート神谷町駅と散歩マップの確認

散策の始まりは、東京メトロ日比谷線の神谷町駅です。

5番出口は麻布台ヒルズに直結しており、未来都市への入り口としてふさわしいスタート地点となります。

駅を出たら、まずはこれから巡るお散歩マップを確認しましょう。

このモデルコースは全長約4km、所要時間約3時間を想定しています。

全体像を頭に入れておくことで、より深く街の構造を理解しながら歩くことができます。

準備が整ったら、新しい街の探訪へと足を踏み出しましょう。

2. 麻布台ヒルズの玄関口となる中央広場と桜麻通り

駅直結の通路を抜けると、麻布台ヒルズの中心である広大な中央広場が目の前に広がります。

ここは、かつて木造住宅が密集していた我善坊谷の跡地とは思えないほどの、緑豊かな開放感あふれる空間です。

広場の面積は約6,000㎡にも及び、果樹園や菜園が設けられています。

トーマス・ヘザウィックが手掛けた低層部の有機的な建築デザインと自然が調和した風景は、これからの都市のあり方を示すようです。

多くの人々で賑わう中央広場や、美しい曲線を描く桜麻通りを歩きながら、再開発によって生まれた新しい街の息吹を感じ取ってください。

3. 街並みを一望できる麻布台ヒルズの展望台

地上での散策を始める前に、森JPタワー33階にある展望フロア「スカイロビー」へ向かいましょう。

ここは誰でも無料で入場できる絶好のビュースポットです。

地上約150mの高さから見下ろすと、すぐそこに東京タワーがそびえ立ち、眼下には増上寺の広大な敷地が広がります。

これから歩く街並みと、新旧のランドマークが織りなす風景を俯瞰することで、この土地のスケールと歴史の重なりを実感できます。

まずは空から全体像を把握し、これから始まるミクロな視点での街歩きへの期待感を高めます。

4. 都会の静寂に佇む西久保八幡神社

麻布台ヒルズの喧騒を離れ、隣接する西久保八幡神社へ足を運びます。

ここは、平安時代後期の1064年に源頼義が創建したと伝わる由緒ある神社で、江戸時代からこの地の移り変わりを見守り続けてきました。

境内は都心とは思えないほどの静寂に包まれています。

超高層ビルを背景にした古い鳥居や社殿は、麻布台ヒルズの再開発が生んだ、新旧が隣り合うこの場所ならではの象徴的な光景です。

近代的な建築群との対比を楽しみながら、歴史が息づく空間で心を落ち着かせましょう。

5. かつての地形を感じる狸穴公園と狸穴坂

神社の脇から、かつての「我善坊谷」の面影を色濃く残すエリアへと入っていきます。

狸穴坂(まみあなざか)は、その名の通り昔このあたりに狸が棲む穴があったことが由来とされる、起伏に富んだ坂道です。

谷底に位置する狸穴公園で一休みしながら周囲を見渡すと、30年以上前の木造住宅が密集していた頃の地形を肌で感じることができます。

ここは、大規模な再開発を経てもなお、昔ながらの土地の記憶をとどめている貴重な場所です。

都心にいることを忘れてしまうような静かな住宅街を歩き、土地の起伏を感じてみてください。

6. 大使館が点在する飯倉片町交差点の風景

狸穴エリアを抜けて外苑東通りに出ると、歴史ある飯倉片町交差点に到着します。

ここは外苑東通りと桜田通りが交差する古くからの交通の要衝で、麻布台ヒルズの新しい賑わいとは異なる、落ち着いた雰囲気が漂います。

周辺にはロシア大使館をはじめ、10カ国以上の大使館が点在しており、国際色豊かな街並みを形成しています。

長年続くレストランや商店が並ぶ風景からは、この街が持つ成熟した文化を感じ取ることができるでしょう。

麻布が持つもう一つの顔を垣間見ながら、散歩のクライマックスへと向かいます。

7. 昭和の象徴東京タワーと徳川家ゆかりの増上寺

飯倉片町の交差点から、昭和のシンボルである東京タワーを目指して歩きます。

麻布台ヒルズという令和のタワーを背にしながら、目前に迫ってくる東京タワーの姿は圧巻です。

さらに足を延ばせば、徳川将軍家15代のうち6代が眠る菩提寺である増上寺が広がります。

1958年に完成した東京タワーと、江戸の歴史を今に伝える増上寺が並び立つ風景は、まさにこの場所でしか見られない特別なものです。

江戸、昭和、令和という三つの時代を象徴する建築物を一度に望むことができる、最高のロケーションです。

8. ゴール赤羽橋駅までの道のり

歴史散歩の締めくくりは、都営大江戸線の赤羽橋駅です。

増上寺の荘厳な三解脱門をくぐり、日比谷通りを歩けばゴールはもうすぐです。

ふと後ろを振り返れば、増上寺の向こうにそびえる東京タワーの姿が見えます。

この約3時間の散歩で巡ってきた新旧様々な風景を思い返しながら、その余韻に浸るのにふさわしい道のりです。

変化し続ける東京のダイナミズムと、変わらない歴史の息吹の両方を感じる、充実した散歩の終わりです。

散策をより楽しむための周辺スポット

麻布台ヒルズ周辺の歴史散策は、道中の発見だけでなく、どの場所で一息つくかによって、その味わいが一層深まります。

単に休憩するのではなく、その土地の物語を感じられるスポットを選ぶことが、散策体験をより豊かなものにする鍵です。

歴史あるカフェから、新旧の風景を切り取る撮影場所、そして散策の余韻に浸れるランチの名店まで、知的な探求心を満たす場所をご紹介します。

これらのスポットは、散策で巡った街の歴史や文化を、五感で再確認させてくれる特別な場所です。

計画に組み込むことで、あなただけの物語が生まれる散策になります。

歩き疲れた時に立ち寄りたいカフェ

散策の合間に立ち寄る喫茶店は、その街の空気を深く吸い込むための大切な時間です。

チェーン店にはない、個人経営の店が持つ独自の雰囲気が、歩き疲れた心と体を癒してくれます。

狸穴坂のほど近くに静かに佇む「TOWERS 188」は、散策の休憩に最適な一軒です。

明治14年創業の老舗果物店「タワーズ」が手がけるこのカフェでは、140年以上の歴史を感じながら、新鮮なフルーツをふんだんに使ったパフェやジュースを味わうことができます。

歴史を重ねた空間で味わう旬の果物は、散策の記憶をより鮮やかなものにしてくれます。

新旧のコントラストを切り取る写真スポット

このエリアは、カメラを通して見ると、さらにその魅力が際立ちます。

歴史が刻まれた風景と、未来を象徴する建築物が織りなす独特の景観は、写真愛好家の心をくすぐります。

特に、西久保八幡神社の境内から麻布台ヒルズを見上げるアングルは、この街の新旧のコントラストを最も象徴する撮影ポイントです。

平安時代に創建されたと伝わる神社の鳥居と、2023年に開業した超高層ビルが同じフレームに収まる光景は、まさに時間旅行のような感覚を覚えます。

何気ない路地裏にも、時代が交錯するドラマチックな瞬間が隠されています。

自分だけの構図を探しながら歩くのも、この散歩の楽しみ方です。

歴史散策の前後で楽しむランチの名店

散策で感じた歴史の余韻は、食事の時間にも繋がっていきます。

長年この土地で愛され続けてきた名店の味は、街の記憶そのものです。

飯倉片町の交差点近くに店を構える「野田岩 麻布飯倉本店」は、創業から200年以上続く鰻の老舗です。

風情ある数寄屋造りの店内でいただく江戸前の鰻は、まさに絶品。

8代目当主が守り続ける伝統の味は、散策で巡った土地の歴史を食を通じて深く理解させてくれる特別な体験となるでしょう。

散策前後にこのような歴史ある店に立ち寄ることで、街歩きの体験はより立体的で思い出深いものになります。

建築好き必見の麻布台ヒルズ内ギャラリー

麻布台ヒルズは、それ自体がトーマス・ヘザウィックによる設計など、建築的な見どころに満ちていますが、その内部にはアートに触れられる知的な空間も用意されています。

ガーデンプラザAの地下1階にある「麻布台ヒルズギャラリー」は、散策の最後に立ち寄りたいスポットです。

約700平方メートルの広さを誇るこの空間では、アートやファッション、デザインなど、ジャンルを横断した企画展が開催されます。

最新の建築空間で世界レベルの現代アートに触れる体験は、散策で感じた歴史との対比をより際立たせてくれます。

再開発によって生まれた新しい文化の発信地を訪れることは、この街の未来を感じる上で欠かせない体験です。

まとめ

この記事では、麻布台ヒルズ周辺で新旧の風景を巡る散歩コースをご紹介しました。

このエリアの魅力は、再開発によって生まれた未来的な街並みと、江戸の面影を色濃く残す歴史的な風景が共存していることです。

この記事で紹介したモデルコースを参考に、あなた自身の足で、この街に刻まれた時間の層を発見しに出かけてみましょう。

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