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【完全ガイド】東京の国立新美術館の見どころ|乃木坂にある美術館の建築を楽しむ方法

国立新美術館を訪れるなら、開催中の企画展を楽しむだけでなく、建築そのものが持つ芸術性にも目を向けることが大切です。

この記事では、世界的な建築家・黒川紀章氏が設計した空間の見どころから、初めて訪れる方でも満喫できるおすすめのモデルコース、混雑を避けるコツまで、訪問前に知っておきたい情報をわかりやすく解説します。

この記事でわかること

目次

国立新美術館の楽しみ方、企画展と黒川紀章の建築美を味わう

国立新美術館を訪れる際は、開催中の企画展だけでなく、建物そのものが持つ芸術性にも目を向けることが重要です。

所蔵品を持たないアートセンターとしての役割、建築家・黒川紀章氏が手がけた空間デザイン、そして都心とは思えないほどの光と緑を感じられる設計など、多角的な視点からこの美術館の魅力を味わうためのポイントをご紹介します。

これらの特徴を事前に知っておくことで、アート鑑賞の体験がより一層深まります。

所蔵品を持たないアートセンターとしての役割

国立新美術館は、「アートセンター」として運営されています。

アートセンターとは、特定のコレクション(所蔵品)を持たず、国内外の多彩な展覧会や美術団体の公募展などを開催するための展示スペースを提供する施設です。

国内最大級となる14,000平方メートルの展示スペースを活用し、常に新しい芸術表現を発信しています。

2007年の開館以来、常設展がないからこそ、訪問するたびに現代アートから古典、デザイン、建築まで、全く異なるジャンルの作品との出会いが待っています。

そのため、一度訪れたことがある方でも、常に新鮮な気持ちで芸術鑑賞を楽しめるのが大きな魅力となっています。

建築家・黒川紀章氏が手がけた最後の美術館

この美術館の建物は、世界的な建築家・黒川紀章氏が設計した最後の美術館としても知られています。

黒川氏は、建築と自然、歴史と思想の共生を目指す「共生の思想」を掲げ、数多くの名建築を世に送り出しました。

2007年に開館した国立新美術館は、まさに彼の建築哲学の集大成ともいえる作品です。

展示されている作品だけでなく、建物そのものを鑑賞の対象として時間をかけて巡ることで、細部にまで貫かれたデザインの意図や、空間が持つ力を感じ取ることができます。

波打つガラスカーテンウォールが創り出す光の空間

外観で最も目を引くのが、南側に広がる壮大なガラスの壁面です。

ガラスカーテンウォールとは、建物の骨組みから独立して取り付けられた、ガラス張りの非耐力壁のことを指します。

国立新美術館のそれは、全長約160メートルにも及び、波のようにしなやかにうねる独特のデザインが特徴です。

この設計により、館内は自然光に満ちあふれ、まるで森の中にいるかのような開放的な空間が生まれています。

時間帯や天候によって光の入り方が変化し、空間の表情が刻々と変わっていく様子は、何度訪れても新しい発見があるでしょう。

乃木坂駅直結という利便性の高い立地

国立新美術館は、東京メトロ千代田線の乃木坂駅から直結しており、交通の便が非常に良いことも魅力の一つです。

天候に左右されることなく、快適に美術館までたどり着けます。

乃木坂駅の6番出口が美術館の連絡通路になっており、改札を出てからスムーズにエントランスへ向かうことが可能です。

都心にありながら、アートと建築に気軽に触れられる理想的な環境が整っています。

このアクセスの良さは、展覧会鑑賞を目的とする方だけでなく、併設のカフェやレストラン、ミュージアムショップだけを利用したい場合にも便利です。

建築とアートを巡るおすすめモデルコース

国立新美術館の広大な空間を最大限に楽しむためには、事前に巡る順番を決めておくことがおすすめです。

ここではアート鑑賞と建築探訪を両立できる、約2時間のおすすめモデルコースを紹介します。

このコースを参考にすれば、初めて訪れる方でもスムーズに見どころを押さえることができます。

乃木坂駅連絡通路から光あふれるエントランスへ

国立新美術館は、東京メトロ千代田線「乃木坂駅」の6番出口に直結しています。

この連絡通路を抜けると、まず目に飛び込んでくるのが波打つようなガラスカーテンウォールに覆われた、開放的なエントランスホールです。

天井高21.6mの壮大な吹き抜け空間は、時間帯によって太陽光の差し込み方が変わり、訪れるたびに異なる表情を見せてくれます。

ここは絶好の写真撮影スポットなので、ぜひカメラを構えてみてください。

この光あふれる空間を体感することから、美術館巡りをスタートさせましょう。

企画展示室で最新のアートとの出会い

国立新美術館は特定の収蔵品を持たない、「アートセンター」という役割を担う施設です。

そのため、常設展はなく、国内外の多彩な企画展や大規模な公募展が常時開催されています。

訪問時には公式サイトで最新の展覧会情報を確認し、興味のある企画展のチケットをオンラインで予約しておくと、当日スムーズに入場できます。

鑑賞に疲れたら、展示室の外にあるベンチで休憩しながら、先ほどまで見ていた作品について思いを巡らせるのも良い時間です。

巨大な逆円錐の上にあるカフェでの休憩時間

展示鑑賞で一息つきたくなったら、館内のシンボルである巨大な逆円錐(ぎゃくえんすい)に注目しましょう。

「逆円錐」とは、円錐を逆さまにした形のコンクリート構造物で、その上部がカフェとレストランになっています。

2階にはカフェ「サロン・ド・テ ロンド」、3階にはレストラン「ブラッスリー ポール・ボキューズ ミュゼ」があります。

特に「サロン・ド・テ ロンド」からガラスカーテンウォール越しに館内全体を見渡す眺めは格別です。

アート鑑賞の合間に、優雅なティータイムを過ごすのはいかがでしょうか。

ミュージアムショップとアートライブラリーの散策

モデルコースの締めくくりは、ミュージアムショップとアートライブラリーです。

地下1階にあるミュージアムショップ「スーベニアフロムトーキョー」では、展覧会のオリジナルグッズはもちろん、デザイン性の高い雑貨や書籍が豊富にそろいます。

3階のアートライブラリーは、誰でも無料で利用できる専門図書館です。

国内外の展覧会カタログや美術関連図書を約8万5,000冊所蔵しており、アートへの探求心を深めることができます。

訪問の記念やお土産探し、さらなる知識の探求に立ち寄ってみましょう。

建築好きのための黒川紀章デザイン注目ポイント3選

国立新美術館を訪れるなら、展示作品だけでなく、建築家・黒川紀章氏が設計した建物そのものにも目を向けてみてください。

彼の建築思想である「共生の思想」が見事に体現された空間は、それ自体がひとつの芸術作品と言えます。

特に注目したい3つのデザインポイントをご紹介します。

これら3つのポイントを意識して館内を巡ることで、光や素材、空間構成に込められた設計の意図をより深く感じ取ることができます。

外観の象徴、壮大なガラスカーテンウォール

国立新美術館の外観を最も特徴づけているのが、波のようにうねる全面ガラス張りの壁面です。

ガラスカーテンウォールとは、建物の重さを支えない非耐力壁のことで、ガラスによって構成されるものを指します。

南側と西側に広がるガラスの壁面は、外に広がる緑豊かな風景を館内に取り込み、内部と外部の境界を曖昧にします。

時間帯や天気によって差し込む光の角度が変わり、床に映る影の模様も変化するため、訪れるたびに異なる空間の表情を発見できます。

特に晴れた日の午後に西側から差し込む光は、館内をドラマチックに演出します。

宙に浮く2つの巨大な逆円錐

館内の広大な吹き抜け空間に入ると、誰もが目を奪われるのが、そびえ立つ2つの逆円錐(コーン)です。

このコンクリートで作られた巨大な構造物は、床からではなく途中から立ち上がっているため、まるで宙に浮いているかのような不思議な印象を与えます。

それぞれの逆円錐の上部は、2階にカフェ「サロン・ド・テ ロンド」、3階にレストラン「ブラッスリー ポール・ボキューズ ミュゼ」として利用されています。

下から見上げるその迫力もさることながら、実際にカフェやレストランから吹き抜け空間を見下ろすことで、この建築のダイナミックなスケールを体感できます。

空間に温かみとリズムを与える木製ルーバー

ガラスやコンクリートといった無機質な素材が多用されている中で、空間全体に温かみを与えているのが木製ルーバーです。

ルーバーとは、細長い板を平行に何本も並べたもので、ここでは壁面の装飾として効果的に使われています。

企画展示室を囲む壁面や通路など、館内の随所に見られる木製ルーバーは、視覚的なリズムと柔らかさを空間にもたらします。

ガラスカーテンウォールから差し込む自然光が木製のルーバーに当たる様子は、美しい陰影のコントラストを生み出します。

細部にまで計算された素材の使い分けに注目することで、建築全体の調和を感じ取れます。

開催中の展覧会と今後のスケジュール

国立新美術館は特定の収蔵品を持たないアートセンターとして運営されているため、訪れるたびに異なる出会いがある企画展や公募展が最大の魅力です。

現代アートから歴史ある美術団体展まで、幅広いジャンルの芸術に触れることができます。

公式サイトでは最新の展覧会情報やチケットの予約状況が確認できるので、訪問前にチェックすることをおすすめします。

時代のプリズム 日本で生まれた美術表現 1989-2010

この展覧会は、1989年から2010年という激動の時代に日本で生まれた美術表現に焦点を当てています。

バブル崩壊後の社会の変化の中で、アーティストたちが何を問い、どのように表現してきたのかをたどる内容です。

会期は2025年9月3日(水)から12月8日(月)までとなっています。

この時代のカルチャーやアートに関心がある方にとって、見逃せない企画展といえます。

日本の近現代史とアートの関わりについて、深く考えるきっかけを与えてくれる展覧会です。

ブルガリ カレイドス 色彩・文化・技巧

イタリアを代表するハイジュエラーであるブルガリの創造性に迫る展覧会です。

万華鏡を意味する「カレイドス」というタイトルの通り、色彩豊かな宝石や卓越した技巧、そして文化的な背景を多角的に紹介します。

会期は2025年9月17日(水)から12月15日(月)までの約3ヶ月間です。

普段は目にすることができない貴重なコレクションを間近で見られる機会となります。

宝飾品の芸術性やデザインの奥深さに触れたい方に最適な展覧会です。

秋に開催予定の第118回日展

日展(日本美術展覧会)は、日本画、洋画、彫刻、工芸美術、書の5部門からなる日本最大級の公募展です。

現代日本の美術界を代表する作家たちの新作が一堂に会します。

2025年は10月31日(金)から11月23日(日)まで開催されます。

日本の伝統的な美術表現から新しい試みまで、多様な作品群を一度に鑑賞できる貴重な機会です。

特に午後4時以降は「トワイライトチケット」でお得に入場できるため、時間をずらしてゆっくり鑑賞するプランも立てられます。

国立新美術館の利用案内とアクセス方法

国立新美術館を心ゆくまで楽しむためには、訪問前の準備が欠かせません。

開館時間やチケットの情報、そして自分に合ったアクセス方法を知っておくことで、当日の時間を有効に活用できます。

特に、どの駅からどのように向かうかを事前に決めておくと、スムーズに来館することが可能です

ここでは、開館時間や料金といった基本的な利用案内から、電車や車での具体的なアクセス方法まで、詳しく解説します。

開館時間と休館日の事前確認

美術館を訪れる計画を立てる上で、まず最初に確認すべきは開館時間と休館日です。

展覧会によって開館時間が延長される場合もあるため、訪問直前に公式サイトで最新情報を確認することをおすすめします

通常の開館時間は10:00から18:00までとなっていますが、毎週金曜日と土曜日は20:00まで夜間開館しており、仕事帰りにも立ち寄れます。

休館日は原則として毎週火曜日です。

ただし、火曜日が祝日にあたる場合は開館し、翌平日が休館になるので注意しましょう。

展覧会の入れ替え時期や年末年始にも休館期間があるため、訪問日が決まったら公式サイトのカレンダーを一度見ておくと安心です。

チケットの料金とオンライン予約

国立新美術館で開催される展覧会の観覧料は、企画展と公募展で異なり、展覧会の内容によって料金が変動します。

そのため、訪問したい展覧会のチケット料金を事前に公式サイトで確認しておくことが大切です

例えば、秋に開催される公募展「日展」の場合、一般料金は1,400円ですが、大学生以下は無料です。

企画展の場合は、一般料金が2,000円を超えることもあります。

チケットは当日窓口でも購入できますが、混雑緩和のためオンラインでの事前予約が推奨されています。

オンラインでチケットを予約しておけば、当日券購入の列に並ぶ必要がなく、スムーズに入場できるため時間を有効に使えます。

混雑を避けて鑑賞するためのおすすめの時間帯

作品を自分のペースでじっくり鑑賞するためには、比較的空いている時間帯を狙って訪れるのが良いでしょう。

最もおすすめなのは、開館直後の平日の午前中です

土日祝日は終日混雑する傾向にありますが、平日は落ち着いて鑑賞できる時間帯があります。

特に、お昼前後は来館者が増え始めるため、朝一番の訪問が最適です。

また、金曜日・土曜日の夜間開館も、日中の喧騒が和らぎ、ゆったりとアートと向き合えるので狙い目といえます。

展覧会の会期末や連休中は特に混雑が予想されるため、可能であればこれらの時期を避けて訪問プランを立てると、より快適な鑑賞体験ができます。

電車でのアクセス、乃木坂駅と六本木駅からのルート

国立新美術館は都心にありながら、複数の駅からアクセスできる便利な立地にあります。

最も便利なのは、東京メトロ千代田線「乃木坂駅」の6出口を利用するルートで、美術館に直結しています

乃木坂駅の改札を出て6出口方面へ進むと、美術館への連絡通路があり、天候を気にすることなく到着できます。

その他、六本木駅からも徒歩圏内です。

都営大江戸線を利用する場合は7出口から徒歩約4分、東京メトロ日比谷線を利用する場合は4a出口から徒歩約5分で到着します。

どの駅を利用する場合でも、案内表示が整備されているため、道に迷う心配は少ないでしょう。

車で訪れる場合の駐車場情報

車での来館を検討している場合、注意が必要です。

国立新美術館には、一般の来館者が利用できる専用駐車場はありません

障がいのある方専用の駐車スペースは用意されていますが、それ以外の方は周辺の有料駐車場を利用することになります。

美術館周辺には、東京ミッドタウンや六本木ヒルズの駐車場など、大規模な駐車場が複数存在します。

ただし、このエリアは駐車料金が比較的高めに設定されています。

週末や祝日は周辺道路も駐車場も混雑するため、時間に余裕を持った計画が求められます。

利便性やコストを考慮すると、公共交通機関を利用して訪れるのが最も確実な方法です。

まとめ

この記事では、乃木坂にある国立新美術館の楽しみ方について、建築の視点も交えてご紹介しました。

開催されている展覧会はもちろんのこと、一番の見どころは黒川紀章氏が設計した、光あふれる建物そのものです。

この記事を参考にして、訪問前に公式サイトで最新の展覧会情報をチェックし、あなただけの鑑賞プランを立ててみてください。

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