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【一覧比較】都心・副都心・新都心の違いとは?新宿とさいたまの謎が5分でわかる

「新宿は副都心なのに、さいたまはなぜ新都心なの?」と疑問に思ったことはありませんか。

似ているようで違うこれらの言葉の意味は、都市における「役割」と「成り立ち」を知ることでスッキリ理解できます。

この記事では、都心・副都心・新都心の定義から、東京や地方都市の具体例までを一覧で比較します。

特に、都心への一極集中という課題を解決する目的で計画的につくられたという歴史背景まで掘り下げるため、街の成り立ちへの理解が深まります。

目次

都心・副都心・新都心、違いは都市における「役割」と「成り立ち」

これらの言葉の違いを理解する上で最も重要なポイントは、都市の中での「役割」と「成り立ち」です。

都心は都市の心臓部として自然発生的に大きくなり、その機能を分散させるために副都心が計画され、全く新しい拠点として新都心がゼロから作られました。

それぞれの言葉が持つ意味を知ることで、ニュースで語られる都市開発の意図や、街の構造がより深く理解できるようになります。

都市の活動が集中する心臓部「都心」

都心とは、行政、商業、業務といった都市の中心的な機能が集まる地区のことで、中心業務地区(CBD:Central Business District)とも呼ばれます。

歴史の中で人や企業が自然と集まり、都市の核として発展してきた場所です。

例えば東京では、千代田区、中央区、港区を合わせた「都心3区」や、そこに新宿区と渋谷区を加えた「都心5区」という呼び方があります。

これらは行政が定めたものではなく、地価の高さなどから不動産業界で慣習的に使われる通称です。

大阪の梅田や福岡の天神も、それぞれの都市圏における都心にあたります。

都心は、その都市の経済や文化を象徴する顔としての役割を担っているのです。

都心の機能を分散させる第二の拠点「副都心」

副都心は、都心に集中しすぎた機能や人口を分散させる目的で、都心周辺の交通の要所などに計画的に整備された地区を指します。

都心への一極集中が引き起こす交通渋滞や地価高騰といった問題を緩和するために設けられました。

東京には7つの副都心があり、中でも新宿、渋谷、池袋は3大副都心として知られています。

特に新宿は、かつて淀橋浄水場があった広大な跡地を再開発することで、超高層ビルが立ち並ぶ現在の姿になりました。

副都心は、都心の機能を補いながら、都市全体のバランスをとる重要な拠点といえます。

計画的につくられた新しい顔「新都心」

新都心は、都心や副都心とは離れた場所に、大規模な工場跡地や埋立地などを利用してゼロから計画的に開発された新しい都市拠点です。

国の機関を移転させたり、国際的なイベント会場を建設したりと、明確な目的を持ってつくられます。

首都圏では、国鉄の操車場跡地を再開発し、国の官公庁の一部を移転させた「さいたま新都心」や、千葉市の臨海部を埋め立てて誕生した「幕張新都心」が代表例です。

横浜の「みなとみらい21」も、造船所跡地を再開発して生まれた新都心の一つになります。

新都心は、都市の未来像を描き、新たな価値を創造する役割を担っています。

言葉が生まれた歴史的背景、大都市の一極集中問題

これらの言葉が使い分けられるようになった背景には、日本の大都市が抱えてきた「一極集中」という深刻な課題があります。

特に高度経済成長期以降、東京の都心部に企業や人口が過剰に集まりました。

その結果、1960年代から1970年代にかけて、通勤ラッシュの激化、交通渋滞、住宅不足、地価の高騰といった都市問題が次々と発生したのです。

災害が発生した際に、首都機能が麻痺してしまうリスクも懸念されるようになりました。

こうした問題を解決するために、国や自治体は都市計画を策定し、意図的に機能を分散させる政策を進めました。

その過程で「副都心」や「新都心」という概念が生まれ、計画的な街づくりが進められてきたのです。

一覧比較でわかる都心・副都心・新都心の違い

都心・副都心・新都心の違いを理解するには、「役割」「位置」「成り立ち」の3つの視点が重要です。

特にその成り立ちは、街の性格を決定づける最も大きな要素となります。

この表を見れば、それぞれの言葉が持つ意味の違いが一目でわかりますね。

役割と目的の違い

都心は都市機能の中核を担う「心臓部」、副都心は都心の機能を分散・補完する「第二の拠点」、新都心は新たな都市機能を生み出す「新しい顔」という役割を持っています。

都心は、千代田区のように行政機関や大企業の本社機能が集まる都市の心臓部です。

一方、副都心である新宿は、都心に集中しすぎたオフィスや商業機能を分散させる目的で整備されました。

さいたま新都心の場合は、国の機関を移転させるという、まったく新しい拠点をつくる目的で誕生したのです。

このように、それぞれの目的は、大都市が抱える一極集中などの課題を解決するために設定されています。

位置する場所の違い

位置関係を見ると、都心は都市の中心部に、副都心は都心周辺の主要な駅などに、新都心は郊外や沿岸部の再開発地などに立地する傾向があります。

東京を例にすると、皇居を中心とした千代田区・中央区などが都心です。

山手線沿いのターミナル駅である新宿駅・渋谷駅・池袋駅周辺に副都心は位置します。

対照的に、さいたま新都心や幕張新都心は、東京都心から約30km離れた場所にあります。

この地理的な配置は、それぞれの役割を効率的に果たすために計画された結果です。

成り立ちと開発経緯の違い

最も大きな違いは成り立ちにあります。

都心が歴史の中で自然に形成されたのに対し、副都心や新都心は都市計画に基づいて意図的に開発されました。

例えば新宿副都心は、もともと淀橋浄水場があった広大な土地を再開発して誕生しました。

一方でさいたま新都心は、使われなくなった国鉄の操車場跡地を活用し、首都機能の一部を担う街としてゼロから建設されたのです。

この開発経緯の違いが、街の景観や構造にそれぞれの個性を与えています。

東京から地方都市まで、全国の都心・副都心・新都心

これまでに解説した定義が、実際の都市でどのように当てはまるのかを見ていくことが理解を深めるうえで重要です。

東京をはじめ、大阪、名古屋、そして地方の中枢都市まで、それぞれの成り立ちと特徴を持つ都心・副都心・新都心の具体例を紹介します。

これらの事例から、各都市が独自の歴史と都市計画に基づいて、中心地を形成・発展させてきたことがわかります。

【東京都】都心3区・5区と新宿・渋谷・池袋などの7副都心

東京における都心とは、一般的に千代田区・中央区・港区の「都心3区」を指します。

不動産業界などでは、これに新宿区と渋谷区を加えた「都心5区」という呼び方も使われますが、いずれも行政が定めた公式な区分ではありません。

都心への機能集中を緩和するため、東京都は7つの副都心を定めています。

代表的な新宿、渋谷、池袋の3大副都心に加えて、上野・浅草、錦糸町・亀戸、大崎、臨海副都心が指定されており、合計7つの拠点で都心の機能を分担しているのです。

東京では、このように複数の副都心を計画的に配置することで、巨大都市の機能バランスを巧みに維持しています。

【首都圏】さいたま新都心・幕張新都心・横浜みなとみらい21

首都圏には、東京の都心機能の分散や新たな拠点の創造を目的として開発された、代表的な新都心が存在します。

「新都心」は、都心や副都心とは異なり、未利用地や工場跡地などにゼロから計画的につくられた拠点を指します。

例えば、さいたま新都心は国の機関の一部を移転するために国鉄の操車場跡地に、幕張新都心は国際的な業務拠点として臨海部の埋立地に、そして横浜みなとみらい21は造船所跡地などを再開発し、1983年の事業着手から約40年をかけて開発が進められてきました

これらの新都心は、それぞれが独自の機能と魅力を持ち、東京への一極集中を是正する役割を担っています。

【大阪・京阪神】梅田と難波、京都の四条烏丸、神戸の三宮

西日本の中心である京阪神大都市圏は、大阪・京都・神戸という個性豊かな都市がそれぞれに中心地を持つ点が特徴です。

大阪市では、ビジネス街の「キタ(梅田)」と繁華街の「ミナミ(難波)」が二大都心として並び立っています。

京都市の中心はビジネス街の「四条烏丸」であり、神戸市ではターミナル駅である「三宮」周辺が都心としての役割を担い、大阪の都心部は御堂筋を中心に南北に長く広がっています

このように、京阪神エリアでは各都市が独自の都心機能を持ちながら相互に連携し、巨大な都市圏を形成しています。

【名古屋・中京圏】栄・名駅を中心とした都心と金山副都心

中京圏の中心都市である名古屋市は、伝統的な繁華街である「栄」と、交通の拠点である「名駅(名古屋駅周辺)」という2つのエリアが都心を構成しています。

近年はリニア中央新幹線の建設計画もあり、特に名駅エリアでは超高層ビルの建設ラッシュといった再開発が活発化しています。

さらに、交通の要衝である「金山」が副都心として整備され、都心機能を補完する役割を果たしています。

栄と名駅が都心として競い合いながら発展し、金山副都心がそれらを支えることで、名古屋の都市構造はより強固になっています。

【地方中枢都市】札幌・仙台・福岡・広島におけるそれぞれの中心地

三大都市圏以外の地方中枢都市も、その地域の経済や文化を牽引する拠点として、特色ある都心を形成しています。

これらの多くは、全国企業の支店が集まる「支店経済都市」としての役割を担います。

福岡市は商業中心の「天神」と交通・業務中心の「博多」の2つの核を持ちます。

仙台市は城下町を基盤とし、広島市は太田川のデルタ地帯に都市機能が集中しています。

福岡市では、福岡空港が近いため、航空法によって建物の高さが制限されていることも都心の景観に影響を与えています。

これらの都市は、それぞれの地理的条件や歴史的背景を活かしながら、地域の中核として独自の発展を続けています。

都心・副都心・新都心の意味と定義

これらの言葉は似ているようで、都市計画における役割や成り立ちに明確な違いがあります。

それぞれの定義を正しく理解することが、都市の構造を読み解く第一歩となります。

まずは、3つの言葉が持つ意味の違いを一覧で確認しましょう。

それぞれの定義を詳しく見ていくことで、なぜ新宿が「副都心」で、さいたまが「新都心」と呼ばれるのかが分かります。

「都心」の定義、都市機能の中核を担う中心業務地区

都心とは、都市の「心臓部」にあたるエリアを指します。

具体的には、行政、業務、商業といった都市の中心的な機能が集まった中心業務地区(CBD:Central Business District)のことです。

例えば東京では、千代田区、中央区、港区の3区が「都心3区」と呼ばれます。

これは行政が定めた公式な区分ではなく、不動産業界などで一般的に使われる通称です。

歴史の中で人や企業が自然と集まり、都市の核として発展してきた場所が都心と呼ばれています。

「副都心」の定義、都心機能を補完するために整備された地区

副都心は、都心に機能が集中しすぎるのを防ぐ目的でつくられた第二の拠点です。

つまり、都心に集中した機能を分散させるために、計画的に整備されたエリアを指します。

代表的な例が東京の新宿です。

かつて浄水場があった広大な土地を再開発し、東京都庁の移転などを通じて都心機能を担う街として整備されました。

東京都は新宿の他に渋谷や池袋など、合計7つのエリアを副都心として定めています

副都心は、都心の負担を軽くし、都市全体のバランスを保つ重要な役割を担っています。

「新都心」の定義、新たな拠点としてゼロから開発された地区

新都心は、都心や副都心とは全く別の場所に、新たな都市拠点としてつくられたエリアです。

大規模な再開発や埋め立てによって、ゼロから計画的につくられた新しい拠点という点が大きな特徴といえます。

埼玉県のさいたま新都心は、その典型的な例です。

国鉄の操車場だった広大な跡地を利用し、首都機能の一部を移転させる国家的なプロジェクトとして建設されました

このように新都心は、未来の都市像を描き、国の機関移転や大規模なイベント開催地といった目的を持って開発されるケースが多く見られます。

まとめ

この記事では、「都心」「副都心」「新都心」という3つの言葉が持つ意味の違いを、都市における役割と成り立ちの観点から解説しました。

特に重要なのは、都心への一極集中という課題を解決するために、副都心や新都心が計画的につくられたという歴史的な背景です。

これらの知識があると、いつもの街の風景が少し違って見えてきます。

ぜひこの記事で学んだ視点を持って、身近な街がどのように発展してきたのかを調べてみてください。

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