池上本門寺の96段の階段を巡る池上散歩｜心が静まる半日モデルコース

都会の喧騒から離れ、静かな時間の中で心を整えたいと感じていませんか。

池上本門寺の散歩では、象徴である96段の階段を一段ずつ踏みしめることで、日々の疲れがすっと軽くなるような特別な体験ができます。

この記事では、大堂や五重塔といった見どころを巡り、歴史ある参道で名物のくず餅や美味しいランチを味わう「静けさと祈り」を感じる半日のモデルコースを、地図や写真とともに詳しく紹介します。

この記事を読めば、以下のことがわかります。

都会の喧騒を離れて心が静まる池上散歩の魅力

池上本門寺周辺の散歩では、歴史が息づく静かな空間で自分自身と向き合う時間を持てます。

総門をくぐり、一歩足を踏み入れると、都心にいることを忘れるほどの穏やかな空気に包まれます。

96段の階段が誘う非日常の世界

池上本門寺の象徴ともいえるのが、総門の先にある「此経難持坂（しきょうなんじざか）」です。

この96段の石段は、日常と聖域を分ける境界線のような役割を果たしています。

加藤清正が寄進したと伝えられるこの坂は、法華経の偈文（げもん）96文字に由来します。

一段ずつゆっくりと踏みしめて登ることで、次第に心が静まり、俗世の悩みが洗い流されていくような感覚を覚えます。

広大な境内に流れる穏やかな時間

96段の階段を登りきると、目の前には広々とした境内が広がります。

荘厳な大堂（祖師堂）を中心に、関東最古といわれる五重塔などが点在しており、ゆったりとした時間の流れを感じられます。

境内を歩いていると、人の話し声よりも、風が木々を揺らす音や遠くで響く鐘の音が耳に届きます。

デジタル情報から離れて五感を澄ませることで、心が穏やかになっていくのを感じるのです。

四季の移ろいを映し出す自然の美しさ

池上本門寺の境内は、訪れる季節によって全く異なる表情を見せてくれます。

春には約100本の桜が咲き誇り、秋には燃えるような紅葉が歴史的な建造物を彩ります。

特に、国の重要文化財である五重塔と桜が織りなす風景は、思わず息をのむほどの美しさです。

季節の移ろいを肌で感じながら境内を散策することで、日本の美しい四季を改めて実感できます。

散策の楽しみを深める参道の賑わい

お参りを終えた後の楽しみは、歴史ある参道でのひとときです。

昔ながらの風情が残る商店街には、池上名物のくず餅を提供する老舗や、趣のある飲食店が軒を連ねています。

池田屋、浅野屋、相模屋といった有名なくず餅店を巡り、食べ比べてみるのも楽しい体験です。

散歩で少し疲れた体を甘いもので癒したり、美味しいランチをいただいたりすることで、散策の満足感が一層高まります。

心を整える半日の池上本門寺散歩モデルコース

都会の喧騒から離れて心を静める時間を作りたいなら、池上本門寺とその周辺を巡る半日の散歩がおすすめです。

このコースで最も印象的なのは、96段の石段「此経難持坂（しきょうなんじざか）」を一段ずつ踏みしめて登る体験です。

ご紹介するモデルコースの所要時間は、食事や休憩を除いて約2時間30分です。

ご自身のペースでゆっくりと歩きながら、歴史の深さと四季折々の自然を五感で感じてください。

この散歩を終える頃には、日々の疲れがすっと軽くなっていることに気づきます。

池上駅からの始まり、風情ある商店街

散歩のスタートは、東急池上線の池上駅です。

駅を出ると、昔ながらの商店が軒を連ねる「池上本門寺通り商店街」が迎えてくれます。

和菓子屋さんや雑貨店などを眺めながら歩く時間は、これから始まる静かな時間への助走のようです。

駅から約10分ほどゆっくり歩くと、道の先に重厚な構えの「総門」が見えてきます。

総門をくぐった瞬間から空気が変わり、日常から切り離された神聖な空間へと足を踏み入れる感覚を味わえます。

俗世との境界、総門から此経難持坂へ

「此経難持坂」とは、法華経の提婆達多品第12に出てくる偈文（げもん）96文字にちなんで名付けられた石段のことです。

加藤清正が寄進したと伝えられ、全部で96段あります。

石段を一段一段踏みしめるごとに、心が無になっていくのを感じます。

春には桜、秋には彼岸花が彩りを添え、季節の移ろいを肌で感じ取れるでしょう。

坂の途中、ふと振り返ると参道の景色が広がり、登りきった先には立派な仁王門があなたを待っています。

仁王門の先で出会う荘厳な大堂

仁王門を抜けると、広々とした境内と、その中心に位置する「大堂（祖師堂）」が目に飛び込んできます。

大堂は、日蓮聖人のご尊像を祀るお堂で、戦後の木造建築としては最大級の大きさを誇ります。

堂内に足を踏み入れると、ひんやりとした静寂が体を包み込みます。

ゆっくりと手を合わせることで、心がすっと落ち着いていくのがわかるはずです。

ここは厄除けや開運のご利益があるパワースポットとしても知られています。

関東最古の優美な五重塔

大堂での参拝を終えたら、境内を少し歩いて五重塔へ向かいましょう。

この五重塔は1608年に建立されたもので、国の重要文化財に指定されています。

関東に現存する最古の五重塔として、その優美な姿で人々を魅了し続けています。

高さは約30メートルあり、特に春の桜や秋の紅葉の季節には、塔と自然が織りなす絵画のような風景が広がります。

どの角度から見ても美しく、思わずカメラを向けたくなる場所です。

歴史に名を刻む力道山の墓所

池上本門寺の境内には、プロレスラーとして一世を風靡した昭和の大スター、力道山のお墓があります。

日蓮宗の熱心な信者であったことから、この地に眠っているとされています。

墓石の横には、力道山の銅像が力強いポーズで立っています。

今なお多くのファンが訪れ、その功績を偲んでいることが伝わってくる場所です。

歴史上の人物だけでなく、近代の著名人にもゆかりがあることに、このお寺の懐の深さを感じます。

お参りの証となる御朱印の拝受

散策の締めくくりに、お参りの証として御朱印をいただくのはいかがでしょうか。

御朱印は、単なる記念スタンプではなく、お寺の神仏とご縁を結んだ証となる大切なものです。

御朱印は、仁王門をくぐってすぐ右手にある総合案内所でいただくことができます。

初穂料は1体300円からで、数種類の御朱印が用意されています。

旅の思い出を形に残すことで、この日の心穏やかな体験がより一層特別なものになります。

散歩の合間に立ち寄りたい池上名物とランチスポット

池上本門寺周辺の散策では、歴史を感じる名物や心安らぐ食事処に立ち寄るのも大きな楽しみです。

参道やその周辺には、古くから愛される老舗の甘味処から、趣のある古民家カフェ、地元で評判の食事処まで、魅力的なお店が揃っています。

店名	ジャンル	特徴
池田屋・浅野屋・相模屋	くず餅	参道に並ぶ江戸時代創業の老舗
古民家カフェ 蓮月	カフェ・食事	登録有形文化財の建物で過ごす特別な時間
燕楽、池上 藪そばなど	定食・蕎麦	地元で長年愛される昔ながらの味

散歩の合間にほっと一息ついたり、しっかりとお腹を満たしたりと、その時の気分に合わせてお店を選ぶことができます。

名物くず餅の老舗3選、池田屋・浅野屋・相模屋

池上を訪れたら外せないのが、江戸時代から続く名物の「くず餅」です。

独特の食感と、黒蜜、きな粉が織りなす素朴な味わいは、歩き疲れた体に優しく染み渡ります。

参道には「池田屋」「浅野屋」「相模屋」という歴史ある3つのくず餅店が並び、それぞれに異なる個性を持っています。

店名	創業	特徴
池田屋	1856年	しっかりとした歯ごたえと弾力が楽しめる元祖くず餅
浅野屋	1752年	もちもちとした柔らかい食感と上品な甘さの黒蜜
相模屋	1781年	弾力と柔らかさのバランスが良く、香ばしいきな粉が特徴

食べ比べてお気に入りを見つけるのも、池上散歩の醍醐味です。

お土産として持ち帰るだけでなく、店内でゆっくりと味わうのもおすすめです。

登録有形文化財の古民家カフェ蓮月

散策の途中でゆっくりと休憩したいなら、元々蕎麦屋だった建物を改装した「古民家カフェ 蓮月」が最適です。

国の登録有形文化財に指定された築約70年の建物は、一歩足を踏み入れると昭和の時代に迷い込んだかのような、懐かしくも落ち着いた空気が流れています。

項目	詳細
雰囲気	昭和レトロな内装、木の温もりを感じる空間
メニュー	こだわりのコーヒー、自家製スイーツ、スパイスの効いたカレー
おすすめの過ごし方	窓際の席で庭を眺めながら静かな時間を過ごす

食事メニューも充実しており、ランチでの利用も可能です。

歴史が刻まれた空間で、日常の喧騒を忘れて心穏やかなひとときを過ごせます。

地元で愛される蕎麦や定食の店

甘味だけでなく、しっかりとした食事でお腹を満たしたい時には、地元の人々に長く愛されてきた食事処を訪れてみてください。

池上には、昔ながらの味を守り続けるお蕎麦屋さんや、行列のできる人気のとんかつ屋さんなど、確かな味を提供するお店が点在します。

店名	ジャンル	特徴
燕楽	とんかつ	肉厚でジューシーなロースかつが名物、ランチタイムは行列必至
池上 藪そば	蕎麦	のどごしの良い手打ち蕎麦と揚げたての天ぷらが人気
COFFEE & WINE 為御菜	定食	野菜をふんだんに使ったバランスの良い日替わりランチ

どこか懐かしさを感じる温かい食事は、散策で歩いた体に活力を与えてくれます。

心もお腹も満たされる、地元ならではの味を楽しんでください。

池上本門寺の歴史と参拝の基本情報

池上本門寺の散策をより一層味わい深いものにするためには、その背景にある歴史や参拝の基本情報を知っておくことが大切です。

事前にポイントを押さえておくことで、一つひとつの建物や風景に込められた意味を感じながら歩けます。

これらの情報を基に、ご自身のペースで無理のない散策計画を立ててみてください。

池上本門寺の由来とパワースポットとしてのご利益

池上本門寺は日蓮宗の大本山であり、宗祖である日蓮聖人が生涯を閉じた（入滅された）霊跡として知られています。

1282年に創建されて以来、700年以上にわたって多くの人々の信仰を集めてきました。

境内は強力なパワースポットともいわれ、特に大堂（祖師堂）では厄除けや開運、心願成就のご利益をいただけるとされています。

日常の喧騒から離れて心を静かに整えたいときに訪れると、新たな活力を得られます。

春の桜と秋の紅葉、季節ごとの見頃

池上本門寺は、訪れる季節によって全く異なる表情を見せるのも魅力の一つです。

3月下旬から4月上旬にかけては、境内のソメイヨシノが一斉に咲き誇り、国の重要文化財である五重塔を優美に彩ります。

11月中旬頃からは木々が色づき始め、境内は落ち着いた雰囲気の紅葉に包まれます。

季節	見どころ	時期の目安
春	五重塔と桜	3月下旬〜4月上旬
秋	境内の紅葉	11月中旬〜12月上旬

どの季節に訪れても、心に残る美しい風景に出会えるでしょう。

池上駅からのアクセスと散策の所要時間

池上本門寺への最寄り駅は、東急池上線の「池上駅」です。

駅から本門寺の入口である総門までは、風情のある商店街を楽しみながら歩いて約10分で到着します。

境内は広大なので、大堂や五重塔、力道山の墓などの見どころをじっくり巡るには、60分から90分程度の時間を見ておくと、ゆとりをもって散策できます。

自動車での来訪に便利な駐車場案内

自動車で訪れる方のために、参拝者専用の無料駐車場が用意されています。

大堂の裏手にあり、約60台を収容可能です。

項目	内容
名称	池上本門寺 参拝者専用駐車場
場所	大堂裏手
収容台数	約60台
利用時間	9:00〜16:00
料金	無料
注意事項	寺院行事の際は利用不可の場合あり

ただし、お会式をはじめとする大きな行事の際には利用が制限されるため、事前に公式サイトなどで確認することをおすすめします。

まとめ

この記事では、都会の喧騒から離れて心が静まる、池上本門寺の散歩モデルコースをご紹介しました。

96段の石段「此経難持坂」を一段ずつ踏みしめる体験は、日々の疲れを忘れさせてくれる特別な時間です。

この記事のコースを参考に、静けさと祈りが重なる街、池上で心穏やかな一日を過ごしてみませんか。